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主日説教
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 復活節第7主日       2008年5月4日

 ヨハネ福音書 第17章1節~5節
 イエスはこれらのことを話してから、天を仰いで言われた。「父よ、時が来ました。あなたの子があなたの栄光を現すようになるために、子に栄光を与えてください。あなたは子にすべての人を支配する権能をお与えになりました。そのために、子はあなたからゆだねられた人すべてに、永遠の命を与えることができるのです。わたしは、行うようにとあなたが与えてくださった業を成し遂げて、地上であなたの栄光を現しました。父よ、今、御前でわたしに栄光を与えてください。世界が造られる前に、わたしがみもとで持っていたあの栄光を。」

   †  †  †  †  †  †  †  †  †  †  †  †

 最近、新聞やインターネット上で硫化水素が問題になっています。皆さんも一度は耳にされたことがあるかもしれません。「練炭よりも楽に死ねます」と書かれているサイトがあるようです。ひとはふとしたことから絶望することがあります。先が見えなかったり、何もかもを失ってしまったと感じてしまいます。そして、時として教会の中で、そうした絶望しきった方に対して、「キミ、そんな弱気じゃ駄目でしょ。神様が護って下さるから頑張りなさい」という言葉が発せられることがありました。ある意味で、実に恐ろしいことです。こうした言葉を口にされる方は、自分は先が見えていると思っていらっしゃるのですか、私共は本当に先を見ることが出来ているのでしょうか。先が見える人が、本当にいるのでしょうか。ただ、今の豊かさや健康が変わることがないと思い込んでいるに過ぎないのではないでしょうか。

 「子はあなたからゆだねられた人すべてに、永遠の命を与えることができるのです。」
 主イエス・キリストはこう言われました。そして、「子はあなたからゆだねられた人すべてに、永遠の命を与えることができるのです。」と続けられています。
 「永遠の命」
 長い長い人間の歴史の中で、多くの人々がこの「永遠の命」を求め続けてきました。「不老長寿の薬」などはその典型かもしれません。しかし、その不老長寿の薬を手に入れたひとは、いまだに一人もいらっしゃいません。それだけではありません。「打ち出の小槌」や「お金のなる木」もありません。自分が災いに遭うのを防げるだけの防備も持っていません。そして、何よりも、明日の朝、目が覚めるのが怖いと思えることがある方さえいらっしゃいます。
 永遠の命よりも、いま楽になりたいと思われる方もいらっしゃいます。「もうこの痛みに耐えられません。その注射を倍の量、注射して下さい。そしたら楽になれます。」襖一枚隔てた隣の部屋で、末期ガンに苦しむ女性の叫び声を聞いたことがありました。小学校4年生の頃のことです。

 「わたしは、行うようにとあなたが与えてくださった業を成し遂げて、地上であなたの栄光を現しました。父よ、今、御前でわたしに栄光を与えてください。世界が造られる前に、わたしがみもとで持っていたあの栄光を。」
 聖書は私共に告げています、「キリストは神から『ゆだねられた人すべてに、永遠の命を与えることができる』」と告げています。そして、それが神の栄光が現れることだと語るのございます。
 死は終わりではありません。
 どのような人間の死も、終わりではありません。
 私共は神に造られた人間でしかありません。すべては神の御手の中にあります。あの十字架の主が道を示して下さいました。ひとは主の御栄光の内に招かれているのです。私も皆さんも、必ずいつか死を迎えます。しかし、死は終わりではありません。神の御栄光の内に招かれることであります。

 だからこそパウロはロマ書の中でこう記しているのでございます。
 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」(ローマの信徒への手紙12章15節)
 いまあなたの前に、横に、硫化水素に関心を持っている方がいらっしゃるかもしれません。二倍の量のモルヒネを注射して下さいと医師に懇願している人がいるかもしれません。いや、確実にいるのです。
 神の御栄光は、きらびやかな衣服を着た人々の中に現れるのではありません。むしろ主イエスは、悩み果て、疲れ果て、一切の望みを失ってしまった方々のところを、今日も訪ね歩いていらっしゃるのです。一枚の衣を着て、日毎の食べ物にさえ困窮している御弟子たちを連れて、いまこの時も硫化水素のサイトを懸命に読んでいる人々を探していらっしゃるのです。
 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」


【 祈  り 】
 主よ、道を示して下さっていることを感謝いたします。
 あなたがどこにいらっしゃって、何をしようとされているのかを知ることが出来たことを感謝いたします。主よ、あなたと共に生きる力と知恵と勇気を与えて下さい。
 あなたの御子、主イエス・キリストの御名によってお願いいたします。
 アーメン

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