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主日説教
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 聖霊降臨後第六主日       2008年6月22日

マタイ福音書16章26節~31節
 「人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」

   †  †  †  †  †  †  †  †  †  †  †  †

 私共は日々、多くの人々と共に生活しています。あるいは、多くの人々の間で、それぞれの人々に目を向け、配慮しながら生きています。いえ、配慮しなければ生きていくことが難しいことがあります。そうした中で、日本には「村休み」という習慣がありました。それぞれの村毎に決められた「村休み」の日には、誰も外で仕事をしてはならないという村の掟でした。最近はこの「村休み」を決めなくなってしまった村が多い中で、最近、地方に住んでいる友人から「村休み」がまだ残っていることを教えられました。兼業農家が増え、村の外に仕事に出ていく人々が多くなっている時代に、どうしてなのかを尋ねたら、興味深いことを話してくれました。その村では、町へ仕事に出ている人々はこの「村休み」の規定に縛られません。この規定が効力を持っているのは、その村の境界線の内側だけだそうです。そして、田植えや稲刈りの後にこの「村休み」があるために、体が丈夫でない方々が、周囲の目を気にすることなくゆっくり休むことが出来るのだそうです。

 「人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。」
 この御言葉は傍若無人に生きていいことを意味していません。むしろ、それぞれが属している集団だけでなく、その集団が属している広い地域や、国家との関係を語っています。それだけではありません。
 「わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。」
 主イエス・キリストは、ご自身が語られたことを人々に語り伝え、密かに話されたことを屋根の上で多くの人々に伝えなさいとおっしゃっています。そして、こう続けていらっしゃいます。
 「体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。」
 主イエス・キリストの御言葉を否定し、それを消し去ろうとしたり、あるいは主イエス・キリストの御言葉に反することをしようとする人々を怖れるなと語り給うていらっしゃいます。

 あるところで、ある教会の聖職者が、「こんなになっちゃったら困るよ」と手足が不自由な方々の真似をされたのを見たことがあります。本当に悲しく思いました。怒りよりも、悲しみの方が大きかったのを覚えています。そして、驚きました。主イエスは、どのような人々と生きていらっしゃったのかをご存じないのかとさえ思えました。教会は、ともするとこうした発言の前を素通りしてしまいます。しかし、主は私共に、どう生きたらいいかをはっきりと示して居給うのです。「体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。」

 「二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。」
 アサリオンは当時、最も小さな貨幣単位でした。その一羽でさえ、神の御心が働かなければ地に落ちることはないと主イエスはお話になり給うたのです。ごく当然のことですが、ひとはいつも、このごく当然のことを見失ってしまいます。
 「あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」
 マタイ福音書が書かれた場所は、貴族が集まる宮殿の中ではありません。マタイ福音書が書かれたのは、むしろ貧しい人々、それもナルドの香油が石製の壺に密閉されていることを知らなかった人々の間でのことであったと考えられます。
 「恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」
 主イエスの御言葉は、そうした人々の間で語られているのです。
 「人々を恐れてはならない。」
 主の御旨から離れた言葉を語り、主がお命じになった生き様を否定する人々を怖れることなく、この週もまた、主の御用に用いていただくために、あの子ロバのように従順に主にお仕えして参りましょう。

【 祈  り 】
 主よ、あなたの御言葉を心から感謝いたします。
 どうか、私共をあの子ロバのようにあなたに仕える者とならせて下さい。
 そして、主よ、あなたと人々に仕える者とならせて下さい。
 私共の主イエス・キリストの御名によって、アーメン。

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